がんのリスクと関係する持久力の指標peak VO2ってなに?

予防

がんになるリスクを下げたいと考えている人「親戚にがんになった人がいて、自分もがんになることが怖くなっちゃいました。持久力があるとがんになりにくいって話を聞いたことがあるんですが、具体的にどういうことなのか教えてほしいです。」

 

 

 

このような疑問にお答えします。

 

✔本記事の内容

・peak VO2とはどのような指標か
・年齢ごとのpeak VO2の平均値はどれくらい?
・peak VO2がどれくらいだとがんになるリスクが低いの?
・peak VO2が高いとなぜ体にいいの?

 

私は理学療法士として患者さんに運動指導や生活指導をおこなう一方、運動や生活によって臓器をどのように守っていけばよいのかということを考えて研究をしてきました。

健康になるためには、ただ歩いたり走ったりしていても健康への十分な効果がえられないのですが、ではどのような数値がよくなれば健康といえるのでしょうか?

特別な病気にかかっていない人であれば、それは peak VO2 (ピークブイドットオーツー、本来はVの上に・が付く)です。

今回はその peak VO2 と がんの発症リスクについてまとめます。

 

 

peak VO2とはどのような指標か

 

動物は呼吸によって酸素を取り込み、取り込んだ酸素を利用してエネルギーを生み出しています。peak VO2 は運動中に吐いた息を分析し、その中に含まれる酸素と二酸化炭素の割合からどれだけの酸素を取り込む力があるかについて示した指標です。

酸素を取り込むと言っても、空気中の酸素を血液に取り込むという意味ではありません。

空気中の酸素を、筋肉の細胞の中まで 届ける能力です。

ですのでガス交換をする肺の能力だけでなく、血液を送るポンプである心臓の能力、血液を運ぶ管である血管の能力、その先にある毛細血管の多さなど、全身の機能を反映した指標です。

 

年齢ごとのpeak VO2の平均値はどれくらい?

 

peak VO2 は全身の体力指標ですので、年齢や性別による差があります。

日本では、2006年に厚生労働省が発表した「健康づくりのための運動指針」で基準値が示されました。

それに基づいて作成したグラフを示します。

表だと以下の通りです。

同じ年齢でもけっこう範囲が広いです。範囲外に低い方は、病気になる確率が高いので注意が必要です。

 

peak VO2がどれくらいだとがんになるリスクが低いの?

30代半ばのときの体力と、がんによる死亡のリスクをまとめたものが以下の表になります。

東京ガスで測定されたデータに基づくとても素晴らしい論文から引用させていただきました。

VO2 maxとpeak VO2は少し違う指標なのですが、持病のない方であればほぼ同じと考えても差支えありません。

体力の高い人では、体力の低い人に比べて10年以内のがん死亡リスクが65%も少なく、10年以上の経過においてもリスクが33%も少ないことがわかります。

peak VO2って本当に大切なんですね。

 

peak VO2が高いとなぜ体にいいの?

 

peak VO2が高いとなぜ体にいいのかというと、体の中にゴミが溜まりにくいからです。peak VO2が高い状態とは、たくさんの酸素を細胞に運ぶことができる状態のことでした。

では酸素が足りないとどうなるのか。それは無理な燃え方をしてゴミがでてしまいます。これは車の排気ガスやガスコンロでも同じですよね。

そしてたくさんの酸素を細胞にとどけられるということは、栄養を細胞にとどけることもできますし、出てきたゴミを回収してくることもできる状態なわけです。

健康で病気になりにくい状態とは、peak VO2が高い状態と言い換えてもほぼ問題ないので、運動をされている方はぜひpeak VO2を改善するような意識で取り組んでください!

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