初期評価→最終評価(笑)で恥をかかないセラピストの症例報告

雑記

セラピストであれば症例報告を一度も行ったことがないという方はいないと思いますが、分かりやすい症例報告ができている人はそれほど多くありません。

あおり気味のタイトルにしてしまいましたが、初期評価→最終評価形式の症例報告を見ると「あー!やっちゃった」と恥ずかしくなってしまいます。学生なら仕方がないかもしれませんが。

そもそも初期とか最終って誰目線なのでしょう?まず患者目線ではなくて、おそらく担当セラピストにとっての最初と最後という意味なんだと思いますが、なぜ時間軸を患者さんではなく自分中心にしてしまうのでしょうか。

「なんか偉そうなこと言ってるけど、あんたはどれだけのものを作れるの?」と私なら考えるので、先日発表した症例報告スライドをまずアップします。この資料を見た上で良さそう印象を受けたら、その下の具体的な内容に読んでみて下さい。

 

 

 

 

もくじです。

聴衆の属性を考える
症例を選ぶ

内容が伝わるタイトルをつける
発表の条件を確認する

経過を先に述べる
考察で後出しはなし!
図表は視線を意識する
使う色を選ぶ
フォントを選ぶ

 

聴衆の属性を考える

意識していない人が多いですが、発表を行う上で最も重要なことのひとつです。あなたが発表する予定の場はどこが主催していてどのような知識をもつ方々の集まりなのでしょうか。

たとえば「人工股関節全置換術後に骨格筋電気刺激を併用し早期退院が可能であった一症例」という発表を行うとして、これを聞く人が理学療法士なのか、医師なのか、ケアマネジャーや看護師なのか、一般市民なのかで発表内容は全然異なるはずです。

もっといえば、理学療法士であっても整形外科に勤務しているのか、在宅サービスを行っているのか、新人なのかで伝えかたが違うはずです。

たとえば整形領域の理学療法士が集まる学会で発表するのであれば、いきなりTHAと略語を使っても問題ないでしょうし、電気刺激のオン/オフ時間の設定や周波数など詳細な点にフォーカスを当てた方が良いかもしれません。一方で内科医や看護師の方にとっては「電気刺激」という大雑把な情報で十分であるように思います。

 

症例を選ぶ

どのような症例を選ぶかについて、学生の症例であればどんな方でも勉強になることと思います。しかし、学会等で発表する場合は勝手が違います。判断の基準は、症例が珍しいかどうかではなく、聴衆にどれだけ利益を与えられるかです。

では聴衆にとって利益になる症例報告とはどのようなものでしょうか。それは聴衆にとって新しくて使える情報が含まれた発表です。

何が新しいのか、症例の属性や病態、治療法、リハビリプログラム、何でもいいのですが、それが聴衆にとって興味深いものであるか考えてみてください。

自施設にとっては当たり前の症例であっても、時間や場所が変われば物珍しいということもあります。また新しく理学療法士になった人にとっては2、0年前の患者が逆に新しく感じることがあるかもしれません。

症例選びは、実はとても難しいです。本来であれば疫学的な知識をもち、時代の移り変わりを知りつつ、では次に求められる一手が何であるかということを意識して選ぶべきです。そういうことを理解していたら、実際には新患対応で気づきますけれども。

 

内容が伝わるタイトルをつける

これは単純な話ですが、意外とできていない人が多いです。

上述の「人工股関節全置換術後に骨格筋電気刺激を併用し早期退院が可能であった一症例」をいい例とします。悪い例は「骨格筋電気刺激を実施した人工股関節全置換術後の一症例」のようなものです。

どのような人に何をして一番大切と考える指標がどうなったのかということが理解できるようにするべきです。しかしもし、早期退院したことよりも電気刺激装置を使ったこと自体を伝えたいのであれば、後者のようなタイトルで結構です。

 

発表の条件を確認する

演者への案内は最初に読んでおきましょう。あたりまえかもしれませんが発表時間を確認しましょう。発表の時間によって伝えられる内容が違いますので。また資料を作り込んだ後でPowerPointのバージョンや縦横比を変えるのは時間のムダですから、これらも先に把握しておくべきです。

動画を使うつもりであれば、とくに記載内容をきちんと読んでおくべきです。

一方で、スライドデザインやフォント設定などは最後にやった方が効率はいいです。私はデザイン作業が好きなので先にやっちゃうことも多いですが。

 

結論を先に述べる

結論を先に述べるのはタイトルで内容を示すのと近いんですが、不慣れな人は紙芝居やドラマのように次に何が来るのか分からない発表になってしまいがちです。

聴衆にとって、先の見えないスライドはストレスですし途中で興味を失われてはせっかく発表した意味が減ってしまいます。

ですので最初に結語のような要約を示し、終着点を定めてから情報を出していくべきです。

 

考察で後出しはなし!

考察の後出しも新人さんに多いミスです。結果までのスライドで出てきたことのない情報を考察で初めて出すのはルール違反です。とくに、完全なちゃぶ台返しのような流れを変える情報を後出しで持ってくるのは最悪です。

できるだけ症例の経過や先行する報告から帰結できる考察にするべきです。と言いつつも、上記の私が作ったスライドでは考察での後出し情報がありまして、謝罪しながら発表しました(笑)。

あと結果をすべて自分の手柄にしようとするのは良くないです。介入前後でパフォーマンスが改善したとしても、自然回復、薬剤変更、栄養状態の改善、意識の改善など様々な要因を差し引いて、それでも自分の果たしたことと言えるのか、謙虚に考えてみて下さい。

 

図表は視線を意識する

図表のサイズと位置を見ただけで、発表者のレベルがわかります。発表に慣れている人は、聴衆の目線に気を使って図を作ります。逆に慣れていない人がやりがちなのは、図表をスライド上にまさに「目一杯」広げてしまいます。

図表を出来るだけ大きくした方が、確かにPC上では見やすいんです。でもスクリーンに映った大きな図表を読み取るのには視線を動かす必要が出てしまいます。

例えばA時点とB時点の数値を比較するとき、視線が動くと内容を理解できる人の割合が一定数下がりますデュアルタスクですからね。

 

使う色を選ぶ

カラーを選ぶのが私は一番楽しい瞬間です。しかし選ぶと言っても、やみくもに選んではいけません。デザイン学校で学んだ方とかじゃない限り。

ではどうやって選ぶのかというと、下記のようなサイトを使います。

ノンデザイナーでも配色に困らないカラーパレットツール10選
色はデザインにおいて重要な役割をもち、色の組み合わせひとつでユーザーに与える印象は大きく変わります。しかし、配色を決めるのはなかなか難しく、悩んでしまいがちです…

プロが設定した色の組み合わせから一番好きなものを選びます。トルソー買いした服の組み合わせで外出するような安心感が得られます(笑)

デザイン設定については既存のものを使用してもいいですし、表示→マスターツールから自分で背景を作ってもいいでしょう。

時間の余裕があれば、上記で選んだ色の組み合わせを使って、自分で背景を作った方が気持ちが上がりますよ。

 

フォントを選ぶ

フォントでおすすめなのは、日本語でメイリオ、英数字でSegoe UIです。どちらもデフォルトで入っているフォントですので、会場のPCで使えないことがほとんどありません。

ちなみに上記のスライドでは日本語でHG創英角ポップ体、英数字でCooper Blackを使用しました。今回この2つを初めて使ったんですが、見やすくて遊び心があって割と良かったです。新人だと使いにくいかもしれませんが。

 

以上です!症例報告がんばってください!

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